10年目の真心米に思う

毎年のことながら、自分で発送した真心米が自分に届く秋の日。今年は10年という月日が感じられるような、優しく柔らかい笑顔が撮れたのではないかと思います。
特別なことをせず、笑いながらキャッチボールするように撮った写真です。それが良いと思う10年目のパッケージ写真になりました。

いつもは日帰りするのですが、今年はGo To トラベルだかでホテルが安くなるので前泊しました。このキャンペーンでこのパターンを使うのはすでに3回目で、そんな使い方でエエんか?と思わないでもないですけど、使えるものは使わせて頂こうということで、「真心米を発送するだけ」というミッションに対して、「旅要素」の方が確実に多い時間を費やしました。

生まれてから39年間、JR芦屋駅の北側から出ることもなく「迎えること」を生業としてきましたが、39歳で独立してからは、桑田さんを筆頭に多くの方から呼んで頂き、気がつけば47都道府県全ての地に足を踏み入れておりました。
それは仕事とはいえ、自分で行程が組める自由業ですから、例えば2時間の撮影の為に3泊4日の行程を組むことが出来るので、仕事現場にいる時間以外は「旅」になります。

昨日も毎年恒例のサンプラスさんのカレンダー撮影で松山に行きました。道中サービスエリアで食べたコロッケをインスタに上げたりしていたので、帰宅すると我が家のイタリア人が「楽しそうだったね」と笑顔で迎えてくれました。道中で砥部焼のお店に寄って夫婦茶碗を買ったりしていたので、「本当に楽しんでるのね」と、自分の事のように喜んでくれたのがとても嬉しかったです。

実は、僕は意外と色んな所を観光しています。昨日も帰り道にあった椿神社なる所にも寄りましたし、気になったらUターンしてでも寄って帰ります。クルマで行く時ほどではないにしろ、電車の車窓から見えた気になるところは、帰りに途中下車して立ち寄って、そのままその町で泊まることもあります。

そんな旅で出会った風景を僕はSNSにもアップしませんしブログにも載せません。家族にも言わないことがあります。写真だけ僕のiPhoneとMacに入っています。
旅の思い出って、自分だけの宝物で、人と共有することじゃないと思っています。僕がその風景を見て、楽しいことも悲しいことも色んな思いを僕の心にだけ閉じ込めて、人生のアルバムを作って生きているので、そのアルバムは誰にも理解出来ない僕だけのものなんです。それを見せるのって無粋じゃないですか。

独立してすぐに、このパッケージ写真の方に呼ばれ、「何も心配しなくて良い。俺がついてる」と僕の目を見て仰ってくださって、以降本当に多くの仕事を与えてくださいました。そして、その場所は全国津々浦々に渡っていました。「何月何日何時にここへ来てほしい」というメールが入って、それに従ってその場所へ行き、一緒に仕事をして一緒に食事をして解散。その前もその後も自由なので色んな旅をさせて頂きました。人が簡単に見ることが出来ない景色を見せて頂きました。色んな思い出を作らせて頂きました。そして、それはまだまだ続くんだということを、このパッケージの写真を見つめながら感じています。

11年目の真心米に向けて、また新しい旅が始まっています。餃子とカレーを売っていても、僕の根底にはちゃんと写真があることを、毎年この人に証て頂いていることが、何よりの恩返しなのかなと思って生きています。

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