梅ちゃん餃子と天使達

130123

僕の大好きな現場である保育園の園長先生より父に料理教室の依頼がありました。子供達に野菜が形を変えて料理になるまでの過程を見せてあげたい!というのが園長先生の食育の狙いだったようで、打ち合せに来られて餃子を作る事になりました。
父の餃子といえば、ミスターも愛した「梅ちゃん餃子」な訳ですが、子供には少しストロングな味なので、子供達の為にリテイクを行い、何度も試食を繰り返して当日に臨んだようです。

久々に見る父のコックコート姿。ずっと一緒に働いてきて、いつもその厳しい姿勢を見せてくれていた姿だったので、僕も身が引き締まる思いでしたが、子供達から歓声を浴びている父は、やはりとても眩しかったです。長く自分の皮膚として色んな経験を積んできたそのユニフォームには、その人にしか持てない年輪のような深みがあって、やっぱり銀河系で一番カッコイイですね。
そして父の隣で父の作業を子供達に説明したのが母、料理作りのアシスタントを担当したのが姉、共に素晴らしいフォーメーションで、他人事のように「素晴らしい家族だな」とその様子を写真も撮らずにただただ感動しながら眺めていました。油断すると涙が溢れてきそうなので、自分の中でピーンと糸を張ったような状態でした。それくらい素晴らしかったです。
昔から僕だけが足を引っ張っていて、僕という存在がなければもっと素晴らしい家族なんだろうなぁなんて思いながら、それでもこの家族の一員として生きていられることに幸せを感じながら、皆さんからお誉めの言葉を頂戴する度、「いや、俺が一番この家族のファンなんですよね・・・」と心の中で呟いておりました。

父が餃子をササっと包む手つきを見て、子供達は「魔法みたい!」と歓声をあげ、焼き上がった餃子を「美味しい美味しい」ともの凄い笑顔で食べてくれました。仲良しのりゅうたろうくんから「梅田さんのお父さん、ホンマに料理が上手やなぁ」と言われ、とても誇らしかったです。
子供達の笑顔が、幸せな家族の一員として生きていられることを改めて僕に教えてくれたような気がしました。いつもいつも彼等に救ってもらってますね。やっぱりいつでも彼等は僕の天使達です。

父も母も長く商売として行なってきたことが、こうして子供達のために役立ってとても嬉しそうでしたし、子供達の無垢な心に触れて元気をもらったようです。
改めてこの素晴らしい機会を与えてくださった園長先生、協力してくださった先生方に感謝します。ありがとうございました。皆さんの事が本当に大好きです。

僕は子供達に写真という形ある物を残すことが出来るのですが、父のように味で記憶に残るというのは本当に凄いことだと思いました。きっと天使達の心の記憶の中に、梅ちゃん餃子の味がしっかりと刻み込まれたと思います。

四十を過ぎても両親の背中から教わることは多いですね。
僕に人生を与えてくれたことに感謝しています。

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