西へ東へ

井上陽水さんの歌じゃありませんが、僕も♪ガンバレみんなガンバレ黒いカラスは東へ西へ〜♪とばかりに西へ東へ行って来ました。ロード量を減らす!と宣言して始まった今年ですが、こうしてロードに出ると色々思い出す事も多く、一昨年、昨年と自分が歩いてきた道を再確認出来るので、とてもありがたいです。何よりも呼んで頂けることは本当に幸せなことですから。

という訳で、今年も真心米が無事に収穫されました。当初は今年は無いという方向で話が進んでいたのですが、地元の生産者の方々や関係者の方々の熱い思いに呼ばれるように現地入りした次第です。ただ、震災があった昨年は特別で、今年は生産者の方々のご好意でご提供頂く分を被災地に会長自らが持って行くという形になると思います。昨年は一人で販売を担当して本当に大変で、やり切った後の皆さんの声を聞いて心の底から頑張って良かった!と思いましたが、正直これが毎年続くのはキツいなぁと思っていたのも事実で、そういう意味でこういう規模で継続していくことが一番理想的なので、僕個人としてはホっとしている次第です。
昨年、何度も通って形を作りましたし、今年は量も少ないですし、何よりも販売という、皆様のお金をお預かりするという責任が無い分、気持ちの上でも余裕があります。本職では無い分、昨年は本当に色々勉強する事も多く、終わった後にかなりグッタリしましたので。そういう意味で、北九州は僕にとって忘れられない地になった訳ですが・・・。
そんな思いを胸に、約一年ぶりに小倉駅からソニックに乗って田んぼに向かい、皆さんと再会した時は胸が熱くなりました。そこには何も変わらない風景があり、何も変わらない皆さんの笑顔がありましたから。そうやって迎えてくれる場所があり人がいるということは、何にも代えられない財産です。今の仕事をしなければ絶対に行く事が無かった場所で出来たご縁、これからも大事にしてきたいと思いました。
夜に打ち合わせと懇親会があり、今年の流れを決めた後、ゆっくり寝かせて頂き、翌日小倉駅から一旦帰宅しました。昨年までの僕なら移動日としてそのまま東京に向かっていたと思いますが、地元で仕事があったのと、一度のロードが長くなるのがしんどいと感じるくらい、今年は地元に根を張れているので、一旦戻る選択をしました。
一昨年、昨年とロードに出ることが多く、そういう非日常が日常になっていた事もあって、今年はロード自体がやはり非日常と感じるようになり、あれだけ乗り馴れた愛車N700系の車内で身体が重く感じることが多くなったのも大きいです。

一旦戻った翌日は東京へ向かったのですが、毎年この時期に麻生ジャイアンツさんの広報の引継があり、昨年からそれに参加するようになりました。一昨年はアミーチの仕事で二週間に一回のペースでグランドに行っていたので、そこで引継が出来たのですが、昨年はそういう機会もなく、メール等でも行えるのですが、会長より「ちゃんと会って話して欲しい」と言われていたので、ちゃんと伺って引継作業を行うようになりました。
実際、広報担当のお父さんとは、一年間に渡ってメールのやり取りを行うので、ちゃんと会って話すことから始まることの大事さというのは本当に大きくて、そこで会わずにメールだけでやり取りするのは、お互いにとっても良く無いですから。
そういう訳で、歴代広報担当のお父さんとは卒団してからも仲良くして頂ける程、色々なやり取りをするものなんですよね。
実際、引継という名の飲み会ではあるのですが、そこで色々打ち解けてからの一年と、そういう事が無くての一年では本当に違いますから・・・。
それも今年で最後かと思うと、本当に寂しい限りなのですが、そんなこと言っても始まりませんし、最後まで皆さんと心を共にして僕に出来ることをやっていきたいと思いました。

翌日はいつもお世話になっているすきや連のスピンオフ企画で茅ヶ崎にある茅ヶ崎館という所で小津安二郎監督が考案し愛したカレーすき焼きなる物を食べてきました。普通のすき焼きにカレー粉と山椒を混ぜたスパイスを好みで量を調節しながら投入する訳ですが、なかなか美味しかったです。玉子の方にも投入し、最後にそれを御飯にかけて食べるとモアベターという逸品。ご家庭でも楽しめるので、是非お試しください。
でも、茅ヶ崎館さんは建物も風情がありますし、そこで食べるのが一番だと思いますので、是非一度足をお運び頂けたらと思います。
茅ヶ崎って面白いですね、通りの名前が「雄三」だったり「サザン」だったり。湘南といえば爆走族という言葉が真っ先に浮かぶ不届きものな僕ですが、帰りの愛車の車中でiPodに放り込んである加山雄三さんの「湘南ひきしお」という曲を聴きながら、今まで違う感覚でその曲が響きグっと来ました。季節も丁度今だったし・・・。海まで行けなかったのは残念ですが、僕なりに湘南を満喫して新横浜から愛車に乗って帰宅。

今回は上記以外に東京写真美術館とパルコで開催されていた大好きな鋤田正義さんの写真展をハシゴしてきました。鋤田さんの写真は、子供の頃からレコード屋に入り浸って色んな音楽を聴きレコードジャケットを眺めていた僕にとって、完全に擦り込まれた世界。きっと僕も根っこの方にそれは確実にありますね。思えばレコードジャケットが僕にとって一番最初に触れたアートで、そこから僕のそういう部分が形成されていったような気がしています。そういう意味で、鋤田さんの写真を見ると自分の原点に戻れるんですよね。仕事に追われる日々の中で、そういう時間があまり無かった事もあり、今回は無理して時間を作って回れたのは良かったです。

今回のロードは、お米の収穫に始まり、色んな収穫がありました。たくさんの色んな実りを続いていく自分の道の上でどう形にしていくか、そんなことを考えた秋の日でした。

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